神戸屋は1918年（大正7年）に創業した、日本の製パン業界を代表する老舗ベーカリーです。100年以上の歴史を持ち、その長い歩みの中で常に革新を続けてきた企業として知られています。創業者の桐山政太郎が神戸の製パン会社で培った技術を基に、大阪で独立したのが始まりでした。

神戸屋の最大の特徴は、1928年に日本で初めてイースト菌を使用する製パン方法に成功したという革新的な歴史です。それまで主流だったホップス種から脱却し、近代的な製パン技術の先駆者となりました。この技術革新により、より安定した品質のパンを大量生産できるようになり、日本のパン文化発展に大きく貢献しました。

1975年には、日本で初めてベーカリーレストランという業態を創業。昼食や夕食にパンの美味しい食べ方を提案するという、当時としては画期的なコンセプトでした。焼きたてパンと料理の相性を探求し続け、現在も全国の神戸屋レストランで多くのお客様に愛されています。店内で粉から作る食事パン、手作りのハンバーグなど、店内加工にこだわった品質の高さが評価されています。

神戸屋フレッシュベーカリーは、小規模店舗で焼きたてパンを提供する形態で、直営店とフランチャイズで全国展開。駅ビルや商業施設を中心に出店し、通勤通学の途中で気軽に立ち寄れる利便性が魅力です。関東・関西を中心に多数の店舗を展開し、地域に根ざしたベーカリーとして親しまれています。

オンラインストアも充実しており、冷凍パン、洋菓子、レストラン人気メニューのレトルト商品など、多彩な商品を全国にお届けしています。自宅で焼きたての美味しさを楽しめる冷凍パンは、忙しい現代人のライフスタイルに合わせた商品として好評です。ギフトセットや定期便も用意され、贈り物にも最適な品揃えとなっています。

ドンクは1905年に神戸で創業した、120年近い歴史を持つ老舗ベーカリーです。フランスパンの普及に大きく貢献した企業として知られ、日本のパン文化発展の重要な担い手となってきました。

最大の特徴は「スクラッチ方式」と呼ばれる製法です。粉から生地を仕込み、成形して焼き上げるまでの全工程を各店舗で一貫して行うという、手間のかかる本格的な製パン方法にこだわっています。多くのベーカリーチェーンが冷凍生地を使用する中、ドンクは職人の技術を重視した製法を守り続けています。

1954年にフランスの著名なパン職人レイモン・カルベルが来日し、日本で初めて本格的なバゲット、クロワッサン、ブリオッシュを紹介しました。その技術指導を受けたドンクは、フランスパンの第一人者として確固たる地位を築きました。

ヴィ・ド・フランスは「フランスの生活」を意味するブランド名の通り、フランス最大の製粉企業グラン・ムーラン・ド・パリ社との技術提携により1983年に誕生しました。山崎製パンの完全子会社として、ベーカリーカフェという業態の先駆者となりました。

焼きたてパンと淹れたてコーヒー、作りたてサンドイッチを提供するベーカリーカフェのコンセプトは、当時としては画期的でした。パン窯のすぐそばにカフェスペースを設け、焼きたての香りと温かさを楽しめる空間づくりにこだわっています。

全国に約188店舗を展開し、駅ビルや商業施設を中心に出店。立地の良さとイートインスペースの充実が特徴で、通勤通学の途中で気軽に立ち寄れる利便性が評価されています。

アンデルセンは、広島を拠点とするタカキベーカリーグループの系列会社です。創業者がデンマークのコペンハーゲンで食べたデニッシュペストリーに感銘を受け、「デンマーク」をテーマとしたベーカリーを展開してきました。ブランド名は童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンに由来します。

1967年に開店した広島アンデルセンは、被爆建物である旧帝国銀行広島支店をリノベーションした歴史的な建物で営業していました。2020年に建て替えられた新店舗は、グッドデザイン賞を受賞するなど、建築としても高く評価されています。

デンマーク王室との長年の交流があり、マルグレーテ2世女王をはじめ王族が訪問するなど、国際的な信頼も厚いベーカリーです。広島には在広島デンマーク王国名誉領事館も設置されています。

自社農場「アンデルセン芸北100年農場」でりんごを栽培し、そのりんごを使った発酵種で作る「ファーマーズブレッド」シリーズは、自然を楽しむパンづくりの象徴的な商品です。

リトルマーメイドは、アンデルセングループが展開するフランチャイズベーカリーチェーンです。「マイ・ワンマイル・ベーカー（あなたに、いちばん近い、パン屋さん）」をコンセプトに、日々の暮らしに寄り添った親しみある品揃えが特徴です。

冷凍パン生地を使用したベイクオフシステムにより、各店舗で焼きたてパンを提供しています。タカキベーカリーの工場で製造された高品質な冷凍生地を使用することで、安定した品質と焼きたての美味しさを両立させています。

イギリスパンが看板商品として知られ、くるみパン、デニッシュペストリー、定番の菓子パンなど、日常使いしやすい商品が揃っています。全国約270店舗を展開し、地域密着型のベーカリーとして親しまれています。

木村屋總本店は1869年（明治2年）創業の、日本で最も歴史あるベーカリーの一つです。銀座に本店を構え、酒種あんぱんの発祥として知られています。日本のパン文化黎明期から、パンと和の融合に挑戦し続けてきた革新的な企業です。

酒種あんぱんは、日本酒の酒母を使って発酵させた生地に餡を包んだ、木村屋オリジナルの商品です。外国から来たパンに日本の餡を組み合わせるという発想は、当時としては画期的でした。この商品は明治天皇にも献上され、広く知られるようになりました。

現在は首都圏の百貨店を中心に21か所の直営店を運営するほか、スーパーやコンビニ向けの袋パン事業も展開。伝統的な酒種あんぱんと、現代的な袋パンの両方を手がける、ユニークなベーカリーです。